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【マクロ経済学】消費関数とは何か【限界消費性向と平均消費性向を理解】

マクロ経済学
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こんにちは、とし(@tyobory)です。

マクロ経済学第2回テーマは「消費関数」についてです。

マクロ経済学でもミクロ経済学でも、所得と消費の関係について、それぞれ理論モデルがあります。マクロ経済学では国民所得の決定理論、ミクロ経済学では異時点間の最適消費で扱います。

国民所得の決定理論における「消費関数」は、財市場の均衡分析からIS-LM分析、ADーAS分析と基礎の基礎の理論に当たるので、超大事です。

今回の目次:「消費関数」

1.消費関数(Consumption function)
2.限界消費性向(Marginal propensity to consume)
3.平均消費性向(Average propensity to consume)

はじめに学ぶのは、「消費関数」のモデルに加え、限界消費性向と平均消費性向の概念です。それでは掘り下げていきます。

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【マクロ経済学】消費関数とは何か【理論モデルをグラフと数式で解説】

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消費とは財サービスの需要である。

消費関数とは何か(理論モデル)

一国の所得水準が変化したとき、消費がどのように変化するのかを考えます。以下、モデル式です。

① $\small C=c_0+c_1Y (0<c_0\, ,\,0<c_1<1)$
② $\small C=c_0+c_1(Y-T)$$\\$C:消費、Y:国民所得(GDP)、T:租税、$\small c_0$:基礎消費、$\small c_1$:限界消費性向

基礎消費($\small c_0$):所得とは無関係に生活するのに必要不可欠な消費部分
限界消費性向($\small c_1$):追加的に1単位所得が増加したとき、消費がどれだけ増加するか

「限界」の概念についてはこちらの記事も併せてどうぞ。
【ミクロ経済学】限界効用とは何?【 限界概念を理解 】

消費(C)は人が生きていくために必要な基礎消費($\small c_0$)と所得に応じて支出される消費($\small c_1Y$)に分けられます。②式は租税入れたモデルで、Y-Tは可処分所得を表します。

消費(C)は財・サービスを需要することであり、総需要ー総供給を理解する上で最も大事な変数なので、必ず押さえましょう!

以上、消費関数はこのように定義されます。

消費関数をグラフで確認する

消費関数をグラフにすると次のようになります(下図)。

国民所得(Y)が増加すると、消費(C)も増加しているため、これを「消費(C)は国民所得(Y)の増加関数」といいます。

ここで、国民所得が仮にゼロであっても、必ず基礎消費($\small c_o$)する部分があります。また、国民所得が1単位増加すると、消費は限界消費性向($\small c_1$)だけ増加します。

このように、マクロ経済学における消費と所得の関係は上記式が基礎となります。

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【マクロ経済学】消費関数における限界消費性向と平均消費性向を理解する

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「限界消費性向」と「平均消費性向」を押さえる。

限界消費性向を数式で理解

限界消費性向は $\small c_1$ で直感的に見てきましたが、数学的に示すと次のようになります。

$\small C=c_0+c_1Y$$\\$$\small \displaystyle \frac{⊿C}{⊿Y}=c_1$

限界消費性向($\small c_1$):国民所得が1単位増加したとき、消費がどのくらい増加するか

消費関数(C)を国民所得(Y)で微分することにより、限界消費性向($\small c_1$)が求められ、消費関数の接線の傾きとして示されます。

以上、限界消費性向の定義と数式となります。

平均消費性向とは何か【グラフと数式で理解】

消費関数の論点では、限界消費性向の他に、平均消費性向という概念があります。

平均消費性向:国民所得(Y)に占める消費(C)の割合

消費(C)を国民所得(Y)で除した値が「平均消費性向」となります。「平均消費性向」を図示すると次のように表されます(下図)。

平均消費性向は、原点と消費関数上の各点を結んだ直線の傾きとして表され、次のような数式で示される。

$C=c_o+c_1Y$$\\$$\small \displaystyle \frac{C}{Y}=\displaystyle \frac{c_o+c_1Y}{Y}$

国民所得が増加していくと、基礎消費と限界消費性向が一定であるため、平均消費性向の値が小さくなっていきます。

図でも、国民所得が $\small Y_1$ から $\small Y_2$ に増加すると、平均消費性向は $\small \displaystyle \frac{C_1}{Y_1}$ から $\small \displaystyle \frac{C_2}{Y_2}$ へ徐々に小さくなっていることが確認できます。

これは、平均消費性向よりも限界消費性向の方が大きいことを意味しており、Yが無限大のときのみ、平均消費性向と限界消費性向が一致します(Yが無限大のとき、$\small \displaystyle \frac{c_o}{Y}$ がゼロに近づくため、$\small c_1$ と一致するため)。

おわりに:消費関数を定義し、グラフをかけるようになる

マクロ経済学ではグラフが書けるのは非常に大事です。数式を覚えるよりも、図が書けて説明できれば、数式も自然とついてきます。

今回の復習です。

1.消費関数:$\small C=c_o+c_1Y (0<c_o\, ,\,0<c_1<1)$
2.限界消費性向:$\small \frac{⊿C}{⊿Y}=c_1$
3.平均消費性向:$\small \frac{C}{Y}=\frac{ c_o+c_1Y}{Y}=\frac{ c_o}{Y}+c_1$

まずは、図と用語を積み重ねて勉強していきましょう!

以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!

【参考文献】
中谷巌(2021)『入門マクロ経済学〔第6版〕』日本評論社.
齋藤誠他(2016)『マクロ経済学 新版』有斐閣.
大竹文雄(2007)『スタディガイド 入門マクロ経済学(第5版)』日本評論社.

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