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【ミクロ経済学】余剰分析と補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策

ミクロ経済学
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こんにちは、とし(@tyobory)です

ミクロ経済学第18回テーマ「余剰分析と補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策」です。

全体の目次:「余剰分析と補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策」

1.従量税と従価税の余剰分析(おさらい)
2.補助金政策
3.最低賃金政策
4.低価格維持政策

余剰分析の応用編となります。もし、余剰分析に関する記事を見ていない方は、こちらで勉強して頂けたら幸いです。以下、補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策を深掘りしていきます。$\\$

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【ミクロ経済学】余剰分析と補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策

余剰分析をさらに応用する。

従量税と従価税の余剰分析(おさらい)

完全競争状態から従量税や従価税が課せられた場合、次のように総余剰が変化します(下図)。

従量税の場合、政府は、財1単位当たりT円の税金が課されるため、企業の生産費用は増加し、供給曲線は傾きを変えず、T円だけ上方にシフトします($\small S_1→S_2$)

このとき、新しい均衡点は$\small E_2$となり、価格は$\small P_2$、生産量は$\small Q_2$となります。このとき、△$\small E_1 E_2 e$で、経済厚生の損失として死荷重が発生します。

―従量税の課税後―
消費者余剰:△$\small AP_2E_2$
生産者余剰:△$\small B_1P’e$
租税($\small T$):□$\small P’ P_2 E_2 e$(租税のため、余剰喪失)
死荷重:△$\small E_1 E_2 e$
総余剰:△$\small AB_2E_2(CS+PS)$

一方、従価税も考え方は同じですが、供給曲線はそのまま上方シフトするわけではなく、傾きも変化します。

―従価税の課税後―
消費者余剰:△$\small AP_2E_2$
生産者余剰:△$\small B_1P’e$
租税($\small T$):□$\small P’ P_2 E_2 e$(租税のため、余剰喪失)
死荷重:△$\small E_1 E_2 e$
総余剰:$\small  TW=(CS+PS)=AP_2E_2+B_1P’e$

以上、従量税と従価税の余剰分析でした。これを踏まえ、応用論点として補助金政策、最低賃金政策、低価格維持政策について、掘り下げていきます。

【余剰分析①】補助金政策

ここで、完全競争状態から生産量1単位当たりに補助金が与えられた場合、次のように総余剰は変化します。

―従量補助金後の余剰―
消費者余剰:△$\small AP_2E_2$
生産者余剰:△$\small B_2P_2E_2$
補助金支出額($\small S$):□$\small B_1eE_2B_2$(政府赤字のため、負の余剰)
死荷重:△$\small E_1 E_2 e$
総余剰:△$\small AB_2E_2-$□$\small B_1eE_2B_2$

従量補助金の場合、政府は財1単位当たりS円の補助金を支給することにより、企業の生産費用は低下します。そのため、供給曲線は傾きを変えず、Sだけ下方にシフトします($\small S_1→S_2$)

供給曲線のシフト後、新しい均衡点は$\small E_2$、価格は$\small P_2$、生産量は$\small Q_2$となる一方で、△$\small E_1 E_2 e$で死荷重が発生します(□$\small B_1eE_2B_2$は政府支出により負の余剰となる)。

結論として、補助金政策の総余剰は、補助金交付前の総余剰より、死荷重(△$\small E_1 E_2 e$)分だけ減少しています(補助金政策をしても前より余剰が減ってしまう!)。

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【余剰分析②】最低賃金政策(高価格維持政策)

少し応用して、完全競争における労働市場の最低賃金政策を見ていきます(下図)。

労働市場における需要と供給は、労働を需要するのが「企業側」で、労働を供給するのが「労働者側」になります。今までの感覚とは逆になるので、注意が必要です。

まず、初期の均衡点は点$\small E$で、企業の余剰は△$\small AE \displaystyle \frac{w_e}{p}$、労働者の余剰は△$\small BE \displaystyle \frac{w_e}{p}$となります。

つまり、総余剰は△$\small AEB$で示されます。

ここで、政府が最低賃金政策を行い、労働者の賃金を引き上げたとすると($\small \displaystyle \frac{w_e}{p}$→$\small \displaystyle \frac{w_f}{p}$)、労働市場の均衡点は点$\small E$から点$\small F$に移動し、労働量は$\small L_F$となります。

このとき企業の労働需要は減り、企業の余剰は△$\small AF \displaystyle \frac{w_f}{p}$、労働者の余剰は□$\small BfF \displaystyle \frac{w_f}{p}$となり、最終的に総余剰は□$\small AFfB$になります。

以上より、最低賃金政策を行う前よりも、総余剰は死荷重の△$\small EFf$分だけ減少する結果になりました。

【余剰分析③】低価格維持政策

再び、通常の需要と供給に戻り、政府が企業の生産品を低価格で販売することを想定します(下図)。

まず、初期の均衡点は点$\small E$で、消費者余剰は△$\small AEP^*$、生産者余剰は△$\small BE P^*$となります。

つまり、総余剰は△$\small AEB$で示されます。

ここで、政府が低価格維持政策を行い、生産者から製品を買い取って価格:$\small P_F$で販売したとすると、均衡点は点$\small E$から点$\small F$に移動し、生産量は$\small Q_F$となります。

このとき生産品の価格が下落するため、消費者余剰は□$\small AfFP_f$、生産者余剰は△$\small BF P_f$となり、最終的に総余剰は□$\small AfFB$になります。

以上より、低価格維持政策を行う前よりも、総余剰は死荷重の△$\small EfF$分だけ減少する結果になりました。

おわりに:政府が介入すると、総余剰は減少する

このように、補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策の余剰分析を行ってきましたが、いずれも政府が政策的介入を行うと、政策前と比較して、総余剰は減少してしまいます。

そのため、政府は市場に介入しない方が理論上、経済の厚生にとって望ましいとされています。

以上、「補助金政策・最低賃金政策・低価格維持政策」でした。

【参考文献】
尾山・安田(2013)『経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』日本評論社.
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

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