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【ミクロ経済学】価格の変化と最適消費【需要法則・需要の価格弾力性・ギッフェン財】

ミクロ経済学
この記事は約4分で読めます。
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こんにちは、とし(@tyobory)です。

ミクロ経済学第6回のテーマは「価格の変化と最適消費」です。以下、全体の目次です。

目次:「予算制約線と効用最大化(消費者行動)」

前回の記事(「所得の変化と最適消費」)で、所得の変化による最適消費点の移動を確認し、上級財と下級財の条件について学びました。

今回は、財の価格が変化することによる最適消費点の移動について学習しますが、第4講の「代替効果」と「所得効果」の導入編となります。それでは、以下みていきましょう!

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【ミクロ経済学】価格の変化と最適消費【グラフと数式で理解】

価格の変化で所得も変わる!?

価格の変化と予算制約線のシフト(グラフで確認)

まず、価格が変化したときの予算制約線を確認しましょう(下図)。

左図は所得が変化したときのグラフで、予算制約線の傾きを変えずシフトします。

右図は $x$ 財の価格が変化したときのグラフで、予算制約線の傾きを変えてシフトします。

なぜでしょう?予算制約式を確認しましょう(「予算制約線と最適消費計画」参照)。

${p_x}x+{p_y}y=I$ $\\$ $y=-\frac{\displaystyle p_x }{\displaystyle p_y}x+\frac{\displaystyle I}{\displaystyle p_y}$

予算制約線の傾きの大きさは $\frac{p_x }{p_y}$ で、切片は $\frac{I}{p_y}$ となります。

  • 分子の $x$ 財の価格($\small p_x$)が上昇すると、予算制約線の傾きは大きくなり、内側にシフト
  • 分子の $x$ 財の価格($\small p_x$)が下落すると、予算制約線の傾きは小さくなり、外側にシフト

まったく難しい話ではなく、財の価格が上昇すると、購入できる財の数量が減るため、予算制約線は内側にシフトし、消費可能領域が狭まると理解すればOK。

一方、財の価格が下落すると、購入できる財の数量が増えるため、予算制約線は外側にシフトし、消費可能領域が広がるという感じです。

価格の変化と最適消費点の移動(グラフで確認)

次に、価格が変化したときの最適消費点の移動を確認します(下図)。

$x$財の価格($\small p_x$)が下落したとき、予算制約線は傾きを変えて外側にシフトします。

価格の下落により、相対的に所得が増加するため、財の需要量は増加し、最適消費点は$\small E_1$から $\small E_1$へ移動します。

この価格の変化による最適消費点の変化を結んだ曲線を「価格消費曲線」という。

価格の変化と需要法則

価格の変化で理解しておきたいことは「需要法則」についてです。

$\\$需要法則

財の価格が下落したとき、全部効果*として、財の需要量が増えること。
*全部効果=代替効果+所得効果$\\$

「需要曲線は右下がり」となります。

つまり、価格が下落したら、需要量が増えるというのが、経済学における「需要法則」です。

需要の価格弾力性と需要法則【ギッフェン財を理解する】

価格が変化したときの需要量の変化を表すのが、「需要の価格弾力性」となります。

需要の価格弾力性:価格が1%変化したとき、需要量が何%変化するか

$\small ε_d=-\frac{\dfrac{dx}{x}}{\dfrac{dp}{p}}=-\dfrac{dx}{dp}・\dfrac{p}{x}$
$\small ε_d$:需要の価格弾力性、$\small dp$:価格の変化量、$\small dx$:$x$ 財の変化量

分母は価格の変化率を、分子は財の需要量の変化率を表しています。

価格が上昇すると、需要量は減少するため、需要の価格弾力性にマイナスをつけて計算します

ただし、本来の需要法則とは逆に、価格が上昇(↔下落)し、かつ需要量も増加(↔減少)する財があります。この財のことを「ギッフェン財(超下級財)」と言います(下図)。

ギッフェン財は需要曲線が右上がりとなり、需要法則を満たさない財と定義されます

$\\$ギッフェン財

需要法則を満たさない財(需要曲線は右上がり)$\\$

おわりに:財の性質をしっかり区別できるようになる

財の性質は、上級財、下級財、中級財、ギッフェン財など、さまざまに区分されます。

次回の「代替効果」と「所得効果」のトピックで、財の性質によりグラフの書き方が変わってくるので、まずは概念だけでもマスターしましょう!

本日のまとめ

1.需要法則とは、財の価格が下落したとき、全部効果*として、財の需要量が増えること
2.需要法則を満たさない財を「ギッフェン財」という
3.需要の価格弾力性:$ε_d=-\frac{dx}{dp}・\frac{p}{x}$

以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!

【参考文献】
尾山・安田(2013)『経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』日本評論社.
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

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