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【ミクロ経済学】代替効果と所得効果【スルツキー分解を理解】

ミクロ経済学
この記事は約5分で読めます。

こんにちは、とし(@tyobory)です。

ミクロ経済学第7回のテーマは「代替効果と所得効果」です。以下、全体の目次です。

目次:「予算制約線と効用最大化(消費者行動)」

前回の記事(「価格の変化と最適消費」)で、価格の変化による最適消費点の移動について学びました。

これまで、無差別曲線・予算制約線・最適消費について記事をまとめましたが、それは「代替効果と所得効果」という概念を理解するために積み上げてきたと言っても過言ではありません。

細かい論点はまだありますが、今回で消費者行動理論の内容は一通り完了となります。それでは、「代替効果と所得効果」を掘り下げていきます。

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【ミクロ経済学】代替効果をグラフで理解!

【復習】価格変化による最適消費点の移動

まずは、価格変化による最適消費点の移動を復習します。

$y$ 財の価格が一定かつ $x$ 財の価格が下落すると、「需要法則」に従って、右図のように最適消費点は移動します。

前回の記事(「価格の変化と最適消費」)では、ギッフェン財(超下級財)について少し触れましたが、この最適消費点の移動は、上級財・下級財・超下級財によって異なります。

そして、財の価格の変化により財の需要量が変化しますが、最適消費点 $E_1$ から $E_2$ の移動を「代替効果」と「所得効果」という2つの効果に分けることができます。

以下、代替効果と所得効果を掘り下げていきます。

代替効果とは(グラフで解説)

まず、代替効果とは何なのか。

代替効果とは、効用水準が一定の下での価格比の変化による需要量の変化を指す

$x$ 財の価格が下落すると、予算制約線は外側にシフトし、$M_1$ から $M_2$ となります。

代替効果は、予算制約線:$M_2$ をシフトバックさせ、もとの無差別曲線と接することにより、$E_1$ から $E’$ への移動として確認できます。

代替効果は、純粋な価格の変化による需要量の変化で、需要法則にもとづき価格の下落により需要量が増加しています( $x$ 財増加)。

さらに深掘りすると、代替効果の消費点の動きを結んだものが「補償需要曲線」として示されます(ここらへんは難しいので、需要曲線とはまた違うと覚えておきましょう)。

まとめると、代替効果は、価格が下落(⇔上昇)すると、需要量は増加(⇔減少)し、必ずプラス(⇔マイナス)となります。

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【ミクロ経済学】所得効果をグラフで理解(財の性質で場合分け)

所得効果とは(グラフで解説)

所得効果とは何か。

所得効果とは、実質所得の変化による需要量の変化をいう

所得効果は、シフトバックさせた予算制約線(点線)をもとに戻すことにより、最適消費点 $E’$ から $E_2$ の移動として確認できます。

この最適消費点の移動は、財の性質によって、異なります。

上級財:所得が増加すると、財の需要量が増加する財
下級財:所得が増加すると、財の需要量が減少する財

左図は $x$ 財が上級財で、所得効果により、財の需要量は増加しています。

一方、右図は $x$ 財が下級財のため、所得効果により、財の需要量は減少しています。

ポイントは、両者とも総計として需要量が増加していることです

代替効果と所得効果の合計は「全部効果」と呼ばれ、この「全部効果」を代替効果と所得効果に分けることを「スルツキー分解」と言います。

さらに、この全部効果から下級財を2種類に分類することができ、それが上記の下級財(非ギッフェン財)とギッフェン財(超下級財)です。

ギッフェン財とは(グラフで解説)

ギッフェン財は超下級財と呼ばれ、需要法則を満たさない財と言われます。

需要法則を満たさないとは、価格が下落したら、財の需要量も減少する(逆も然り)

ギッフェン財の最適消費点の移動は左図のようになります(全部効果がマイナス)。

つまり、$x$ 財が下級財であり、かつ代替効果で増加する需要量よりも、所得効果で減少する需要量が大きく、結果として財の需要量が減少してしまいます。

以上より、財の性質ごとに代替効果と所得効果をまとめると、下記の表となります。

財の性質/効果 代替効果 所得効果 全部効果
上級財 増加(プラス) 増加(プラス) 増加(プラス)
下級財 増加(プラス) 減少(マイナス) 増加(プラス)
ギッフェン財 増加(プラス) 減少(マイナス) 減少(マイナス)

※仮定として、財の価格が下落したときの表です。価格が上昇したら、すべて逆になるので注意です。

おわりに:「代替効果と所得効果」は積み重ねで理解

今回は「代替効果と所得効果」をグラフで説明しました。

「代替効果と所得効果」を理解するには、「無差別曲線」、「予算制約線と最適消費」、「上級財・下級財」など、一つ一つの単元をマスターする必要があり、まずはグラフを書けるようになりましょう!

その他、消費者行動理論の論点は、代替効果と所得効果のグラフで説明できるだけでなく、計算で出題される場合があります。大学の期末試験、公務員試験、大学編入試験などなど。今後の記事でまとめいきます。

それでは以上となります。

【参考文献】
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

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