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【マクロ経済学】AD-ASモデル分析【総需要管理政策とインフレ】

マクロ経済学
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こんにちは、とし(@tyobory)です。

マクロ経済学第20回のテーマは「AD-ASモデル分析」です。

目次:「AD-ASモデル分析【総需要管理政策とインフレ】」

1.AD-AS分析(総需要管理政策)
2.AD-AS分析(コストプッシュインフレ)

第18・19回テーマでは、AD曲線とAS曲線について解説しました。

【lecture.18】AD曲線(総需要曲線)とは?【導出方法を解説】
【lecture.19】AS曲線(総供給曲線)とは?【導出方法を解説】

詳しくはこちらをご確認ください!

今回は、導出したAD曲線とAS曲線を合成して、AD-ASモデル分析を行います。

AD-AS分析では、総需要管理政策とインフレによって、どのようにAD-ASモデルが変化するのか考察します。

それでは、AD-AS分析をみていきましょう!

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【マクロ経済学】AD-ASモデル分析【総需要管理政策とインフレ】

AD-ASモデルでのインフレを理解する。

AD-ASモデル(図)

AD-ASモデルは、物価水準( P)と国民所得(GDP)の関係性を示したモデルであり、古典派とケインズ派によって解釈が異なります(下図)。

古典派の場合、完全雇用が達成されるため、AS曲線は完全雇用国民所得の水準で垂直となります

一方、ケインズの場合、非自発的失業の存在により、AS曲線は完全雇用国民所得水準まで右上がりの曲線となり、完全雇用が達成された後は垂直となります。

この状態からAD-AS曲線のシフトについて考えていきます。

AD-ASモデル分析(総需要管理政策:ディマンドプルインフレ)

ここで、拡張的な財政金融政策が発動されると、AD曲線が右にシフトします。

古典派の場合、価格伸縮性により総需要管理政策は国民所得に影響を与えず、物価の上昇のみをもたらします。

一方、ケインズ派の場合、総需要管理政策によりAD曲線は右にシフトし、国民所得が増加します。

労働市場では、企業側において超過需要が発生し、物価上昇が必要である($\small E’$)
(AS曲線よりも下側:企業側の超過需要、実質賃金の下落へ)

物価の上昇は、実質賃金の下落をもたらし、国民所得を減少させるため、均衡点は$\small E_2$となる。

このように、拡張的な財政金融政策によって総需要が押し上げられ、インフレが発生することを「ディマンドプルインフレ」といいます(直訳で「総需要の引き上げによるインフレ」)。

次に、AS曲線のシフトについて考察します。

AD-ASモデル分析(コストプッシュインフレ)

ケインズ派のAD-ASモデルでは、原材料費や人件費の高騰により、AS曲線がシフトします。

イメージは、ミクロの供給曲線です。価格が上昇すると、供給量も減りますよね!

物価が上昇すると、AS曲線は上方シフトし、国民所得も減少します(均衡点は$\small E_2$)。
このように、費用の押し上げにより発生するインフレを「コストプッシュインフレ」と言います。

また、このコストプッシュインフレは、物価上昇しながらも国民所得が減少するため、経済不況(停滞)と持続的なインフレを同時発生させます。

この状況を、停滞(stagnation)とインフレ(inflation)から「スタグフレーション」と呼びます。

以上が、AD-AS分析の基本モデルとなります。

まとめ:AD-AS分析は導出までがポイント

AD-ASモデルは、IS-LMモデルに労働市場を加えたモデルのため、AD曲線とAS曲線の導出がポイントとなります。

この他に、新ケインジアン、マネタリストや合理的期待形成学派のAD-ASモデル、インフレを考慮したIAD-IAS分析など、様々なAD-ASモデルが展開されていきます。

そのため、まずは基本的なAD-ASモデルについて理解しましょう!

以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!

【参考文献】
中谷巌(2021)『入門マクロ経済学〔第6版〕』日本評論社.
齋藤誠他(2016)『マクロ経済学 新版』有斐閣.
大竹文雄(2007)『スタディガイド 入門マクロ経済学(第5版)』日本評論社.

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