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【マクロ経済学】LM曲線の求め方・導出について【LM曲線と金融政策】

マクロ経済学
この記事は約5分で読めます。

こんにちは、とし(@tyobory)です。

マクロ経済学第9回のテーマは「LM曲線の導出」です。第8回では財市場の「IS曲線の導出」を確認しました。まだの方は下記の記事ご参考ください。

【マクロ経済学】IS曲線の求め方・導出について【IS曲線と財政政策】
IS曲線は財市場における利子率と国民所得の関係を表した曲線である。IS曲線の特徴は、投資と貯蓄が均衡し、国民所得は利子率の減少関数となっている。IS曲線は、投資曲線、45度線、貯蓄曲線から導出される。また、IS曲線は財政政策を発動すると右にシフトする。

全体の目次:「LMの曲線の導出」

1.LM曲線とは
2.LM曲線の導出
3.LM曲線の性質
4.LM曲線のシフト(金融政策の効果)

LM曲線は貨幣市場の均衡における利子率と国民所得の関係を表したものです。LM曲線の結果だけでなく導出過程も含めてマスターしましょう。

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【マクロ経済学】LM曲線の導出について【貨幣市場の均衡】

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貨幣市場の均衡とLM曲線

LM曲線とは何か【貨幣市場の均衡】

LM曲線は貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせで、一般的に右上がりの曲線になります(下図)。

LM曲線は右上がりで、利子率の増加が上がると国民所得は増加する。

LM曲線の導出【資産需要曲線、45度線、取引需要曲線】

LM曲線は、資産需要曲線、45度線、取引需要曲線により導出され、次のように図示されます。

第2象限:資産需要曲線は利子率の減少関数で、利子率 $\small r_1$ に対応した貨幣の資産需要が決定
第3象限:貨幣供給量から貨幣の資産需要量 $\small L_2$ を差し引くと取引需要( $\small L_1$ )が求まるため、45度線で折り返す
第4象限:取引需要曲線から取引需要( $\small L_1$ )を満たす国民所得 $\small Y_1$ が決定
第1象限:利子率 $\small r_1$ に対応した $\small Y_1$ で点 $\small E_1$ がプロットされる

以下、$\small r_2$ も同様の経路をたどると、点 $\small E_2$ がプロットされ、こうした点の集合によりLM曲線が導出される。

【補論】第3象限が45度線で折り返す理由(ワケ)

第6回の「貨幣需要」で確認しましたが、貨幣需要は次の式で示されます。

貨幣需要:$\small M_D =L_1(Y)+L_2(r)$ $\\$ $\small L_2(r) =M_D-L_1(Y)$ $\\$( $\small L_1$ :取引需要(予備的需要含む)、 $\small L_2$:貨幣の資産需要)

つまり、切片が $\small M_D$ 、$\small L_1$ の傾きの大きさは-1のため、第3象限のような直線となる。

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LM曲線の性質と金融政策によるLM曲線のシフト

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LM曲線と金融政策

LM曲線の性質【超過需要と超過供給】

LM曲線上において貨幣市場は均衡しているが、LM曲線の上側と下側で、超過供給と超過需要が発生しています。以下、点 $\small E_1$ と点 $\small E_2$ がどういう状態か確認します。

点$\small E_1$ は、LM曲線の上側に位置しており、超過供給が発生しています。このとき、均衡点よりも利子率が高く、貨幣の資産需要が小さい状態にあります。つまり、貨幣市場が均衡するには取引需要が増加する必要があります。

貨幣需要である $\small L_1$ の取引需要量が不足していることから、$\small M_D<M_S$ となり、貨幣の需要量よりも供給量の方が大きくなっている(すなわち、超過供給が発生)

同様に、点$\small E_2$ は、LM曲線の下側に位置しており、超過需要が発生してます。このとき、均衡点よりも利子率が低く、貨幣の資産需要が大きい状態にあります。したがって、貨幣市場が均衡するには取引需要は減少する必要があります( $\small M_D>M_S$ )。

このように、LM曲線の上側のとき超過供給が発生し、LM曲線の下側のとき超過需要が発生します。

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LM曲線のシフト【金融政策の効果】

金融政策が発動された場合、LM曲線がどのようにシフトするのか確認します。

左図のように、金融政策が発動し、マネーストックが $\small M_1$ から $\small M_2$ に増加したとします。このとき、利子率は $\small r_2$ に下落し、均衡点は $\small E_2$ となります。つまり、利子率の下落幅と等しくなるように、LM曲線は右にシフトします。

マネーストックの増加、物価水準の下落:LM曲線は右にシフト
マネーストックの減少、物価水準の上昇:LM曲線は左にシフト

物価が変動した場合も、実質貨幣供給量(実質マネーストック)が変動するため、LM曲線はシフトすることに注意しましょう。

以上、LM曲線に関する諸々となります。

おわりに:LM曲線の導出過程をグラフで書けるようになる

LM曲線が導出できるようになるのが一番ですが、特に細かく覚える必要のない人は、

① LM曲線は右上がりの曲線で、利子率と国民所得の関係を表したもの
② LM曲線より上側の場合、超過供給、IS曲線より下側の場合、超過需要である
③ 金融政策が発動されると、LM曲線は右にシフトする

ここらへんを押さえればOKだと思います。

以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!

【参考文献】
二神孝一, 堀敬一(2017)『マクロ経済学 第2版』有斐閣.
大竹文雄(2007)『スタディガイド 入門マクロ経済学(第5版)』日本評論社.

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