こんにちは、とし(@tyobory)です。
通信制大学に出願するとき、出願書類の中に志望理由書の提出がありますよね。
こんな悩みにお答えいたします。
通信制大学の場合、基本的に志望理由書と課題提出で合否が決まります。
本記事では、通信制大学に出願する際に、必要な志望理由書の書き方について掘り下げていきます。
【通信制大学】志望理由書・志望動機の書き方
分量は多くないので、魂をこめ、論理的に書く。
志望理由書が必要な通信制大学(主に関東)
通信制大学への出願で、志望理由書がある大学(特に関東)は以下です。
- 慶應義塾大学(合計1500文字:課題図書含む)
- 法政大学(約300文字)
- 日本大学(約200文字)
- 東京通信大学(300文字以上?)
放送大学と産業能率大学では、志望理由書の提出はありませんでした。
やはり慶應だけ分量が多いですが、他の通信大学は5行~10行程度です。
志望理由書で聞かれることは次のことです。
ちなみに、慶應大学の志望理由書(参考)
(1)大学で何を学ぼうとしているのか、①過去の学習経験、②将来の展望、に触れながら、志望した学部(類)に関連させて述べなさい(720文字以内)
(2)自分の学びたい学問領域にかかわる書籍を一冊選び、概要をまとめた上で、自身の視点から論評しなさい。(720文字以内)※著者名、本のタイトル、出版社名も記入してください。
(3)なぜ慶應義塾大学の通信教育課程を選んだのかを述べなさい。(150字以内)
ざっくり言えば、「大学でどのようなことを学び、将来どうなりたいか」が問われています。これが曲りなりに書ければ、余裕で合格です。
大事なのは、論理的な文章を構成することです。
論理的な文章だとスッキリしていて、分かりやすいからです。
以下、さらに掘り下げます。
志望理由書・志望動機の書き方(ポイントは4つ)
論理的な志望理由書を書くには、次のような文章構成の流れになります。
- 主張(志望動機)
- 理由・背景
- 具体例・事例
- 結論(主張の言い換え)
これは「PREP法」と呼ばれ、反論されないための書き方となります。
今回は日大商学部商業学科を志望する感じで、以下の例文を書きました。
私は、商品に関する流通論を理論的に学ぶため、貴学商学部商業学科への入学を志望している。現在、私はネット上で「せどり」というビジネスをしており、商品(モノ)の取引や流通に関心を持つようになった。実際、商品は近場の古本屋から仕入れを行うが、商品価格が現実の店頭とネット上で大きく異なり、そのギャップに疑問を抱いていた。したがって、実務的な感覚だけでなく、商品の流通や価格理論を学問として体系的に学ぶことにより、今後のビジネスに生かせるのではないかと思い、貴学での学びを志した。
最近、私は「せどり(転売業)」に関心があり、そのことを題材にしました。
以下、各項目を細かく見ていきます。
①:主張(志望動機)
最初の一文目に志望動機を書きます。
私は、商品に関する流通論を理論的に学ぶため、貴学商学部商業学科への入学を志望している。
大学は学問を学び、研究するための機関なので、どの分野を学びたいか必ず書く。
ここでは、商学部志望なので、「せどり」に合わせて「流通論」をチョイスしました。
「理論的」だと、大学チックになるので、おすすめです。
②:理由(背景)
2文目は、主張に対する理由を書きます。
現在、私はネット上で「せどり」というビジネスをしており、商品(モノ)の取引や流通に関心を持つようになった。
1文目で、「流通論」を理論的に学びたいと書きました。
なので、2文目では、「流通論」に関心を持った経緯や理由、背景を書くと、内容がより一貫します。
③:具体例(事例)
3文目は、流通に関して「どこ面白みを感じたのか、疑問を抱いたのか」を具体的に書きます。
実際、商品は近場の古本屋から仕入れを行うが、商品価格が現実の店頭とネット上で大きく異なり、そのギャップに疑問を抱いていた。
ここでは、「商品価格のギャップ」に疑問を抱いていた、としています。
つまり、この疑問は「経験則」的なもので、流通に関して理論的・学問的には知らないことを、裏では伝えています。
大学に進学することは、学問をしにいくことなので、目的があって大学に進学したいんだ!という意思表明が加えられると、ベストです。
④:結論(主張の言い換え)
最後に結論です。
以上から、実務的な感覚だけでなく、商品の流通や価格理論を、学問として体系的に学ぶことにより、今後のビジネスに生かせるのではないかと思い、貴学での学びを志した。
ここは、主張の繰り返しなので、貴学で学びたいんだ!ということを再度書きます。
ポイントは、「流通論を専門的(理論的)に学び、将来に生かす」ことです。
⇒③を興味を抱いたで書いたら、「そのことを探究したい」など書く。
最後は何でも良いです。
「貴学○○学部への入学を希望する」など、適当に各自言い換えてくださいね。
【慶應】志望理由書で課題図書が出題されたらどうする?【論評の書き方】
論評はどう書く?
慶應通信では、志望理由書の中で、書籍の論評が必須
通信制大学へ出願する際に、一部の大学では、課題図書を読み、その論評が求められる大学があります。その一つに慶應の通信制があります。
基本的には、論評も志望理由書のパターンと似たようなものです。
①:要約(はじめに+結論)
②:論評ーⅠ(賛成・反対)
③:論評ーⅡ(賛成・反対)
④:まとめ(全体の総評)
以下、さらに掘り下げていきます。
①:要約(はじめに・結論をみる)
分厚い本をすべて読んで要約するのは、至難の業です。
ぶっちゃけ、本の冒頭と一番後ろの結論を読めば、その本がどのような内容なのか、要約を書くことができます(そういう風に構成されているはず…)。
1.はじめに:本の全体像(問題意識・背景)
2.おわりに(結論):本の全体的な結論
書籍の冒頭には、本の全体像(背景)が描かれており、大枠を掴むことができます。
おわりに(結論)には、冒頭に書かれた問題意識に対する主張(筆者の言いたいこと)が書かれています。
要約は本の全体像のまとめなので、この2つを組み合わせて文章を練ると、上手い具合に要約っぽいものが出来上がります。
②:論評-Ⅰ(賛成・反対)
論評では、筆者の意見に賛成か反対、評価できる・できないを書く必要があります。
とはいえ、ここは最も文章力が問われる部分でもあり、ド直球で「筆者の○○考え方に賛成である!」って書いても、文章の構成上、文末が暑苦しくなってしまいます。
なので、、、
筆者の意見に
「~共感できる・できない」「~実感がある・ない」
「~肯定的・否定的である」「~懐疑的である」など
文末をこのように「プラス」「マイナス」の表現で、緩やかな言葉に置き換えると、次の文章につなげやすくなります。
あとは、言葉尻に合わせて、それに対する理由ー具体例-まとめを書いていくと、自分自身の視点から述べられますよね。
基本的に、やっていることは志望理由の書き方と一緒です。
③:論評-Ⅱ(賛成・反対)
ここで注意が必要なことは、段落構成です。
私は、論評に関してバランス派なので、②で賛成(評価できる)意見を出し、③では反対(否定的・批判的な)意見を出して、まとめに入ります(反対⇒賛成だと、流れが悪くなります)。
この他には、賛成ー賛成(肯定的)でまとめるか、反対ー反対(批判的)でまとめるかなど、人それぞれ本の感じ方によって段落構成は変わってくると思います。
大事なのは、「自分はその本のどこに着目したのか」を明確にしましょう。
著者のどの考え方が評価できるのか、または否定的なのか、実際の具体例・エピソードが書けると、より説得力が増すことになります。
なお、論評は読書感想文ではない
論評でやりがちなのは、「私は~と思う」や「私は~と考える」です。
論評≠読書感想文です
「私は~と思う」や「私は~と考える」は、主観的な意見丸出しなので、なるべく使わないようにした方が良いです(これでも合格できてますが…)
理由は2つです。
・論評とは、著者の考え方や意見(論じたもの)を客観的に評価するもの
・書かない方が、文章がスッキリする
慶應の場合、「あなた自身の視点から論評せよ」と書かれていますが、つまりは自分の意見を客観的な文章で書くことが要求されています。
また、「私~思う」を書かなくても、文章は通じるのでカットです。
できるだけムダなものは省いていくと、スッキリとした文章が出来上がります。
④:まとめ(全体の総評)
最後のまとめは、全体の総評です。
無難なのは、その本の評価できる点と今後の課題について書けると、論評してる!って感じになります。
「本書では、○○について取り扱い、△△の論調は思いもよらない鋭い指摘であったが、関連する✕✕については、詳細には触れられてないため、さらなる議論の余地があるといえよう。」
自分で書いていて正直微妙だと思いましたが、評価できる点と今後の課題を書いてみました。ざっくりしていますが、以上となります。
おわりに:通信制大学の志望理由書は、ぶっちゃけ熱意でOK
以上、志望理由書の書き方をまとめてきましたが、通信制の場合は、やりたいこと・学びたいことが明確なら基本的に合格できます。
上記のような、論理的な文章構成で頑張って書ければ、基本的に落とされないので大丈夫です。
その他、通信制大学への編入学を考えている人は、下記の記事をご参考ください!
この記事をはじめ、まだまだ通信制大学に関する記事は以下もありますので、どうぞご参考にして頂けたら幸いです。
では、よいキャンパスライフに向け、引き続き頑張っていきましょう!
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