こんにちは、とし(@tyobory)です。大学編入に関わって約9年ほど経ちます。
大学編入試験を受験する一番の理由は、学歴を上げたい!という人が多いと思います。
とはいえ、全員が全員、旧帝大(上位国立)に合格できるわけではありません。
現実的なステップアップとして、主に2パターンに分かれます。
1.マーチ・関関同立(・地方国立) ⇒ 旧帝大・上位国立(神戸・横国・筑波)
2.下位私立 ⇒ マーチ・関関同立(・地方国立)
今回は、タイトルにもある通り、中央大学―経済学部の編入試験について、まとめていきます。
中央大学を取り上げる理由は、編入試験の中で、最も合格者数を出す大学だからです。
募集要項では若干名となっていますが、毎年約20名~30名の合格者を出しています。
マーチレベルでこの数は中々ないので、受験校としてはおすすめの大学です。
本記事では、中央大学経済学部の編入試験の傾向と対策について、一から解説していき、おすすめの参考書をまとめていきます。
【大学編入】中央大学経済学部の編入試験の傾向と対策【英語と専門論文】
編入試験の概要を知る。
中央大学経済学部の編入試験の概要
中央大学経済学部の編入試験の概要は以下の通りです。
1.外国語(筆記試験:100点、英語・中国語・独語・スペイン語・仏語から選択)
2.小論文(経済および経済学の基礎知識;70点、一般教養;30点)
とてもシンプルで、英語と小論文の2科目で合否が決まります。書類審査等もありません。
受験資格は、大学(62単位以上)・短大・高専のみで、専門学校生の受け入れはしてません。
合格点は、6割~7割以上で一律合格させているんじゃないかと思います(何となく)。
次に、各科目の出題傾向についてみていきましょう(外国語は英語のみ)。
中央大学経済学部の編入試験の英語(筆記試験)
中央大学の編入試験の英語(筆記)は、5つのパートに分かれています。
Ⅰ.長文問題①(経済系の文章、配点:35点)
Ⅱ.長文問題②(社会科学系の文章、配点:35点)
Ⅲ.文法問題(5問×2点=10点)
Ⅳ.整序問題(5問×2点=10点)
Ⅴ.英作文(10点)
英語の筆記試験としては、かなりオーソドックスで満遍なく出題されます。
また、出題形式もほぼ一緒で、配点も例年通りならこのままです。
以下、長文と文法等に分けて、さらに深掘りしていきます。
英語(長文問題)―2題出題
英語の長文問題は、2題とも形式はほぼ一緒で、次の通りです。
■ 内容は経済系と社会科学系の文章がメイン。
1.部分和訳(たまに内容の指示語問題)―2問(2問×10点=20点)
2.空欄補充(選択式)―約3~5問(各2点=6~10点)
3.内容正誤―Ture or False問題, 約3~5問(各2点=6~10点)
※内容正誤に関しては、ここ数年の傾向です。
合計の配点が約35点で、これが2題出題されます。
この形式がデフォで、部分和訳は2題で40点となります(1問だけ他の記述式があるかないか)。
残りは空欄補充と内容正誤の問題で、15点分(15点×2題=30点)振り分けられる感じです。
空欄補充問題では、長文に空欄があり、選択肢から穴埋めするタイプの問題です。
内容正誤問題では、設問の内容文が、正しいか(T)間違っているか(F)を選ぶ問題で、ここ数年の傾向となっています(とりわけ3.では内容問題が出題されます)。
国公立に多い全文和訳タイプではないので、いかにして該当箇所の設問を解くか鍵となります。
英語(他)―文法・整序・英作文
文法・整序・英作文の配点は、各10点です(再掲)。
Ⅲ.文法問題(5問×2点=10点)
Ⅳ.整序問題(5問×2点=10点)
Ⅴ.英作文―1文英訳(10点)
そこまで難しい問題が出題されるわけではないので、このパートは得点の稼ぎ所です。
英作文も短文英訳(1文)なので、ケアレスミスはできるだけ避けたい感じです。。
このように、中央大学の英語では、勉強すべきところがはっきりしています。
長文問題から含めると、落とせない項目は、長文の空欄補充とⅢ~Ⅴの文法・英作文です。英文和訳は部分点、正誤は半分正解して、7割を目指すといった感じでしょうか。
次に、小論文についてみていきましょう!
小論文〔一般教養と経済学〕
中央大学の編入試験の小論文は、次の2つが出題されます。
1.一般教養;小論文(30点)←内容は、人文・科学・社会科学の様々
2.経済および経済学の基礎知識;専門論文(70点)
試験内容は小論文と書いてありますが、小論文と専門論文(経済学)です。
小論文・専門論文:各50点ではないので、圧倒的に経済学の専門論文が大事となります。
また、1時間で2題解かなければいけないので、時間の余裕は一切ありません。イメージとしては、専門論文で満点を目指して時間を使い、余った時間で小論文を書きなぐる感じです。
一般教養の小論文は、人文・科学・社会科学のトピックが様々なので、ここでは省略して専門論文の内容について、掘り下げていきます。
専門論文―経済と経済学に関する基礎知識
専門論文では、2題設問が与えられ、1問選択して解答していきます。
基本的にマクロ経済学・ミクロ経済学の範囲から出題されます。
1.マクロ経済学(IS-LMモデル:総需要管理政策(財政政策・金融政策)、貿易モデル)
2.ミクロ経済学(市場均衡・余剰分析、貿易モデル)
もともと、中央大学はマクロ経済学や財政学の研究が盛んで、IS-LMモデル関連ものがよく出題されています。
均衡国民所得に関する、IS曲線・LM曲線の導出、IS-LMモデル分析、海外部門を考慮したマンデル・フレミングモデルなどが主な出題です。
ミクロ経済学でも均衡理論を好む傾向があり、市場均衡や余剰分析、自由貿易の余剰分析など、経済学の理論モデルの分析をメインに出題されています。
計算等は出題されていないので、論述メインで知識をインプットしていく感じです。
以上が、中央大学経済学部―編入試験の傾向となります。以下では、実際どんな参考書をやれば良いのか紹介していきます。
【大学編入】中央大学経済学部―編入試験向けのおすすめの参考書
大学の出題形式に合わせて試験勉強する。
【大学編入】中央大学―英語対策におすすめの参考書
英語の参考書や勉強法に関して他のブログ記事にまとめているので、詳しくは下部の方に載せておきます。
ここでは、対策としてピンポイントに使える英語の参考書をご紹介いたします。
【単語】
中央大学の長文のトピックはかなり幅広いです。経済学の専門の用語を覚えるよりも、多読系英単語集で時事的なテーマをメインに読み込むことの方が有益です。
難易度的には、リンガメタリカ>>Core1900≧速読英単語必修です。
(自分は超久しぶりにTOEIC受けようと思って、基礎固めでcore1900で勉強しています)
基本的な英単語の勉強も兼ねるなら、速読―必修か他の易しい英単語集をオススメします。
【長文】
「やっておきたい長文」シリーズは河合塾のテキストで質も良く、一短めの長文問題を解きたい人向けです。
ただし、実際の大学入試レベルとなるため、一通り単語・文法事項を学習したことを前提とします。
完全な演習となるため、実力がまだ…って人は、東進の「レベル別長文問題」や「英語長文ハイパートレーニング」など易しいものが良いかもです。
中央大学の英語もそこまで長くないので、500語くらいの長文で丁度良い感じです。
【文法等】
こちらも河合塾のテキストで、「英文法・語法良問500シリーズ」です。
同様に演習系の参考書なので、一通り文法問題集を終わらせることをおすすめします。
私が受験した時代には、このようなテキストが無かったので、ピンポイントで演習問題を積めるのは非常に良いです(私は、河合塾の「英語長文読解の王道 (3)←絶版」、桐原書店の「整序問題850」をやりました)。
シリーズ化しているため、通しで対策しやすいと思います。
【英作文】
最後に英作文は、「ドラゴンイングリッシュ100」です。
もとは、マンガ「ドラゴン桜」から派生して出来た参考書ですが、非常に出来が良いです。
短文かつ100文でコンパクトなため、中央大学の英作文対策にはちょうど良いです。
(正直、そこまで勉強している時間がないので…)
がっつり英作文を勉強するというより、そのエッセンスをサクッと勉強することを重視しました。
以上が、中央大学の編入試験の英語でおすすめの参考書となります。他は、以下のブログ記事をご参考ください。
・ 中学英語の勉強法【3ヶ月で大学受験レベルまで引き上げるには】
・【英語なし?】大学編入の合格は英語で決まります【基礎から始める英語学習】
次は経済学の参考書のご紹介です。
【大学編入】中央大学―専門論文対策におすすめの参考書
経済学の参考書や学ぶべきことに関しては、以下の記事にすべてまとめてありますので、まずはこちらをご参考ください。
⇒ 【編入】独学で経済学部の編入試験に合格する方法【ロードマップ】
⇒【大学編入】経済学部への編入で使える参考書①【マクロ経済学編】
⇒【大学編入】経済学部への編入で使える参考書②【ミクロ経済学編】
中央大学の経済学部編入では、計算問題が出題されず、論述メインとなります。
上のブログ記事でまとめていますが、ここでは4冊おすすめしたいと思います。
まずは「速習!シリーズ」のマクロ・ミクロです。
「速習!シリーズ」は、経済学を一通り学ぶ上で網羅性が高く、最低限の必要な知識を学ぶことができます。
他、「らくらくシリーズ」でも代用可能ですが、現在価格が高騰中なためこちらをオススメします。
次に経済学の専門書です。
「マクロ経済学基礎講義」は、中央大学の浅田先生の著書です。いわゆる、その大学の先生の本で対策するのが一番です。
八田先生の「ミクロ経済学」はⅠとⅡがあり、辞書みたいにめちゃくちゃ分厚く詳しいです。
中央大学の編入試験で出題されるレベルのものはすべて載っています。
(大学近くの古本屋・ブックオフで入手しやすい)
一から勉強すると絶対挫折するため、上記のブログ記事では挙げておりませんが、ある程度狭い範囲の出題で、過去問を調べながら解くなら、非常におすすめです(市場分析も詳しい)。
また、編入後も使える専門書なので、置いても全く損にはなりません。
これ以外で、一応私もブログで経済学の記事を書いていますが、実は編入試験で使う内容から記事を編集しています。内容的には、ほぼ編入試験に直結するものなので、ご参考にして頂けたら幸いです。
以上が中央大学経済学部の編入試験向けのオススメの参考書です。
おわりに:大学によって試験勉強の仕方は変わります
大学編入試験は、大学によって試験形態が様々で、大学の個性が出ます。
試験科目が多い大学、TOEIC・TOEFLを課す大学、経済数学を課す大学、本当にさまざまです。
大学によって、求められる難易度や参考書は全く変わってきます(計算メインなのか、理論が必要なのか)。
その中で、自分が第一志望とする大学に合わせて、最適な参考書を選び、勉強をしていきましょう!
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