こんにちは、とし(@tyobory)です。
ミクロ経済学第21回テーマ「公共財とは何かー消費の非競合性と非排除性」です。
目次:「公共財ー2つの性質」
2.消費の非競合性
3.消費の非排除性
通常の需要と供給の理論では、取引される財は「私的財(民間財)」です。
私的財は民間企業が供給する財・サービスですが、「公共財」は政府が供給する財・サービスとなります。
本記事では、公共財とは何かを説明した上で、この公共財がもつ「消費の非競合性」と「消費の非排除性」の性質についてまとめていきます。
【ミクロ経済学】公共財とは何か。2つの性質を理解【消費の非競合性と非排除性】
公共財の2つの性質
公共財を知る前にー政府の経済活動とその範囲
公共財を知る前に、政府の経済活動とその範囲について確認していきます。
まず、市場経済では私的財が取引されていますが、民間企業では供給できないような財・サービスも存在します。このように、市場メカニズムが正常に働かないことを「市場の失敗」と言います。
政府の経済活動は、家計や企業から税金(租税)を徴収し、市場に介入することにより、「市場の失敗」を是正することを目的としています。
このように、市場経済に加え、政府が積極的に市場に介入する経済体制のことを「混合経済体制」といいます。これを踏まえ、公共財とは何か具体的にみていきましょう。
公共財とは何?
政府は家計や企業から税金(租税)を徴収し、予算を通じて「公共財」を供給します。
政府や地方自治体が供給する「財・サービス」=「公共財」? と思われがちですが、公共財の定義としては違います。
公共財とは、消費の非競合性と非排除性という2つの性質を持つ財のことを言います。
以下、公共財の2つの性質である「消費の非競合性」と「消費の非排除性」を確認しましょう!
公共財の性質①ー消費の非競合性
公共財の一つ目の特徴として、「消費の非競合性」があります。
文字通り、消費が競合しない性質のことです。ざっくり言えば、誰でも消費できるという意味です。
例えば、国防や灯台、公園、道路など、基本的に誰でも利用することができますよね。
各個人は、追加的な費用をかけることなく、これらの財・サービスを消費することができます。
これが公共財の一つ目の特徴「消費の非競合性」です。
公共財の性質②ー消費の非排除性
公共財の二つ目の特徴として、「消費の非排除性」があります。
消費の非排除性は、ある特定の人たちのみを排除しようとすると、排除費用が莫大となり、結果として対価を支払わずに財を消費する個人を排除できない性質のことをいいます。
例えば、税金を払わない人だけ特定して、国防の便益を受けさせないようにすることは、事実上不可能です。しかし、国家として国防という公共財を供給しなければならないため、税金を払わない人たちにもその便益が提供されることになります。
このように、消費の非排除性の特徴があることにより、対価を支払わなくても公共財・サービスの便益を享受できるという、「フリーライダー(ただ乗り)問題」も発生します。
これが公共財の二つ目の特徴「消費の非排除性」です。
このように、消費の非競合性と非排除性の2つの性質を持つ公共財のことを「純粋公共財」と呼びます。
公共財は公共経済学の分野になり、土居先生の『入門公共経済学』がおすすめです!
以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!
【参考文献】
尾山・安田(2013)『経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』日本評論社.
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.
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