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【マクロ経済学】貨幣供給とは何か?【マネーストックとハイパワードマネーを理解】

マクロ経済学
この記事は約6分で読めます。

こんにちは、とし(@tyobory)です。

マクロ経済学第7回テーマは「貨幣供給」についてです。以下、目次です。

目次:「貨幣供給とは」

1.マネーストックとハイパワードマネー
2.貨幣乗数
3.金融政策(公定歩合操作、公開市場操作、法定準備率操作)
4.貨幣市場の均衡

第6回では「貨幣需要」について学習し、今回は「貨幣供給」についてです。

貨幣供給量は市場に流通する貨幣量のことであり、金融政策によりその水準が決定されます。以下、貨幣供給と前回の内容と合わせて、貨幣市場の均衡まで掘り下げていきます。

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【マクロ経済学】貨幣供給とは何か?【マネーストックとハイパワードマネーを理解】

M1、M2、M3?

マネーサプライはもう古い?【マネーストックを理解】

2008年まで貨幣供給量のことをマネーサプライと定義していましたが、現在はマネーストックと総称されています。

マネーストック(M):市場に流通する通貨のこと
ハイパワードマネー(H):中央銀行が直接コントロールできる通貨のこと

マネーストック:M1=現金通貨(C)+預金通貨(D)
マネーストック:M3=現金通貨(C)+預金通貨(D)+定期性預金+譲渡性預金
ハイパワード・マネー:H=現金通貨(C)+法定準備預金(R)
C:cash、D:deposit、R:Reserved

マネーストックには4つの指標があり、現金通貨+預金通貨はM1と言われています。一般的な指標は、M3のマネーストックで、M1に加え、定期性預金と譲渡性預金を足したものです。

また、ハイパワードマネーの法定準備金について、民間銀行は一定の割合、日銀に法的に準備金を預ける必要があり、これが中央銀行がコントロールできる貨幣となります。

このように、貨幣供給量はマネーストック(マネーサプライ)で示されます。

貨幣乗数とは何か

貨幣乗数は、マネーストックとハイパワードマネーの式から導出されます。

貨幣乗数:ハイパワードマネーを1単位増加させたとき、どれくらいマネーストックが増加するか

$\small \frac{\displaystyle ⊿M}{\displaystyle ⊿H}=\frac{\displaystyle 現金・預金比率+1}{\displaystyle 現金・預金比率+法定準備率}$

$\small \frac{\displaystyle M}{\displaystyle H}=\frac{\displaystyle C+D}{\displaystyle C+R}$

分母と分子に、預金(D)を乗じると、

$\small \frac{\displaystyle M}{\displaystyle H}=\frac{\displaystyle C/D+D/D}{\displaystyle C/D+R/D}=m(貨幣乗数)$

$\small \frac{\displaystyle C}{\displaystyle D}=現金・預金比率 \frac{\displaystyle C}{\displaystyle R}=法定準備率$

$\small  M=mH$

$\small H$ で微分すると、貨幣乗数 $\small m$ が求められる。

$\small \frac{\displaystyle ⊿M}{\displaystyle ⊿H}=m(貨幣乗数)$$\\$$\qquad=\small \frac{\displaystyle 現金・預金比率+1}{\displaystyle 現金・預金比率+法定準備率}$

このように、ハイパワードマネー変化量からマネーストックの変化量が求められます。

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貨幣供給量を増やす3つの金融政策の手段

金融政策を押さえる。

金融政策①:公定歩合操作(基準割引率および基準貸付利率)

かつては金融政策の一つとして「公定歩合操作」という手段がありました。

公定歩合操作:民間銀行への貸出利率を直接操作して貨幣供給量を調整

現在は、貸出利率である市中金利は「コール市場」、いわゆる金融機関同士の貸出利率である「無担保コールレート」で決定されます。

また、公定歩合という名称もなくなり、「基準割引率および基準貸付利率」に変更されました。

日本では、過去の遺物なので、ここでは金融の自由化により「無担保コールレート」が使われていると覚えておきましょう。

金融政策②:公開市場操作(買いオペ・売りオペ)

公開市場操作はよく「買いオペ」、「売りオペ」と言われます。

公開市場操作:中央銀行が手持ちの債券や手形を市場で売買し貨幣供給を操作する

買いオペ=中央銀行が民間銀行の債券を買う→市中銀行の保有現金が増加

マネーストックの増加
売りオペ=中央銀行が民間銀行に債券を売る→市中銀行の保有現金が減少

マネーストックの減少

公開市場操作はハイパワードマネーに直接影響を与え、政策としての透明度が高いとされる。

金融政策③:法定準備率操作

法定準備率操作は中央銀行に預ける利率を変更することにより貨幣供給を調整します。

法定準備率:預金の引き出しのために準備する現金の割合を定めたもの

法定準備率低下→中央銀行の保有現金が減少→マネーストックの増加
法定準備率上昇→中央銀行の保有現金が増加→マネーストックの上昇

法定準備率の操作は、貨幣乗数に影響を与えるため、政策的な影響は最も大きい。

以上の3つの手段が金融政策の手段である。

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貨幣需要と貨幣供給【貨幣市場の均衡】

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均衡利子率の導出。

貨幣市場の均衡

貨幣需要と貨幣供給が均衡する状態を考えます。

貨幣需要:$\small M_D=L_1(Y)+L_2(r)=L(Y,r)$

$\small L_1$:取引需要(+予備的需要)、$\small L_2$:資産需要、$\small Y$:国民所得、$\small r$:利子率

貨幣供給:$\small M_S=\frac{M}{P}$

$\small M$:名目マネー・ストック、$\small P$:物価水準、$\small \frac{M}{P}$:実質マネー・ストック

貨幣需要量は3つの需要から成り、$\small L_1$ は国民所得の大きさで貨幣需要の大きさが決まります。資産需要($\small L_2$) は、利子率により貨幣の資産需要が決定されます。

貨幣供給量は名目マネー・ストックから物価調整を行った実質マネー・ストックで決定され、貨幣の需給均衡を表すと次のように図示されます。

まず、国民所得は固定されているので、$\small L_1$ の貨幣需要は一定となります。また、$\small L_2$ の貨幣の資産需要は利子率の減少関数のため、貨幣需要曲線は右下がりです。

実質マネー・ストックは利子率に関係なく一定なので、垂直の直線となります。

貨幣需要曲線:$\small M_D$ と貨幣供給曲線:$\small M_S$ の交点で貨幣市場が均衡
⇒均衡利子率:$\small r^*$ が決まる

以上、貨幣市場の均衡により均衡利子率が決定されます。

おわりに:貨幣市場の均衡をマスターし、LM曲線の導出へ

前回と今回で「貨幣需要」、「貨幣供給」を取り上げ「貨幣市場の均衡」まで見てきました。

次回からは、ISーLM分析という「財市場」と「貨幣市場」の同時均衡を考えるため、IS曲線とLM曲線の導出についてまとめていきます。

ですから、まずは「財市場の均衡」と「貨幣市場の均衡」についてマスターしましょう!

以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!

【参考文献】
二神孝一, 堀敬一(2017)『マクロ経済学 第2版』有斐閣.
大竹文雄(2007)『スタディガイド 入門マクロ経済学(第5版)』日本評論社.

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