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【ミクロ経済学】要素需要関数の導出と生産要素価格の変化

ミクロ経済学
この記事は約6分で読めます。

こんにちは、とし(@tyobory)です。

ミクロ経済学15回テーマ「要素需要関数の導出と生産要素価格」です

全体の目次:「要素需要関数の導出と生産要素価格」

1.要素需要関数とは
2.要素需要関数の導出と計算
2.生産要素価格の変化

消費者理論では消費者が財を需要するように、企業でも生産のために労働と資本を需要します。

この労働と資本は企業の生産要素となるため、生産者理論では「要素需要関数」として定義されます。

本記事では、要素需要関数と生産要素価格の変化による需要の変化について解説していきます。

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要素需要関数の導出と生産要素価格の変化

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要素需要を理解し、計算を解けるようになる。

要素需要関数の導出と計算

再度おさらいですが、要素需要関数とは企業の生産要素(労働・資本)の需要関数のことです。

要素需要関数の導出(解法は3つ)
① 代入法(代入して微分)

② 技術的限界代替率(公式)
③ ラグランジェ未定乗数法(別記事で解説)

費用最小化条件を踏まえて、生産要素に関する企業の需要関数を導出します。

とりあえず②だけ押さえればOKですが、例題とともに①と②の解法を確認していきましょう。


問題1(要素需要関数の導出)

次の生産関数と総費用関数が与えられているとき、各要素需要関数を導出しなさい。$\\$生産関数:$\small Q=L^{\frac{1}{2}}K^{\frac{1}{2}}$
総費用:$\small TC=wL+rK$
$\\$⇓定式化⇓$\\$$\small \underset{\small L,K}{min}$  $\small TC=wL+rk$
$\small s.t.$  $\small Q=L^{\frac{1}{2}}K^{\frac{1}{2}}$$\\$(TC:総費用、L:労働、K:資本、w:賃金率、r:資本レンタル率)$\\$意味:「生産関数Qの下で、総費用が最小化される労働と資本の要素需要関数を求めよ


生産関数を$\small K=$… に変形し、予算制約線に代入すると、

$\small Q=L^{\frac{1}{2}}K^{\frac{1}{2}}$
$\small K^{\frac{1}{2}}=Q・L^{-\frac{1}{2}}$
$\small K=Q^2・L^{-1}$
$\small TC=wL+r(Q^2・L^{-1})$

となる。ここで、総費用を労働($\small L$)で微分し、$\small L$について解くと、労働の要素需要関数が導出される。

$\small \frac{\displaystyle \partial TC}{\displaystyle \partial L}=w+(-1)・rQ^2・L^{-2}=0$
$\small rQ^2・L^{-2}=w$
$\small L^{2}=\frac{\displaystyle r}{\displaystyle w}Q^2$
$\small L^*=(\frac{\displaystyle r}{\displaystyle w})^{\frac{1}{2}}Q$

また、$\small L$の値を$\small K$に直した生産関数に代入すると、

$\small K^*=(\frac{\displaystyle w}{\displaystyle r})^{\frac{1}{2}}Q$

となる。

以上より、企業の要素需要関数($\small L^*,\,K^*$)が導出された。

企業の費用最小化条件は、等量曲線の技術的限界代替率(MRTS)と、等費用曲線の接線の傾きの大きさが一致するときに達成される。

$\small MP_L=\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 2}L^{-\frac{1}{2}}K^{\frac{1}{2}}$$\\$$\small MP_K=\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 2}L^{\frac{1}{2}}K^{-\frac{1}{2}}$$\\$$\small MRTS=\frac{\displaystyle MP_L}{\displaystyle MP_K}=\frac{\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 2}L^{-\frac{1}{2}}K^{\frac{1}{2}}}{\frac{\displaystyle 1}{\displaystyle 2}L^{\frac{1}{2}}K^{-\frac{1}{2}}}=\displaystyle \frac{K}{L}=\displaystyle \frac{w}{r}$

つまり、$\small K=\displaystyle \frac{wL}{r}$となり、生産関数に代入すると、

$\small Q=L^{\frac{1}{2}}(\displaystyle \frac{wL}{r})^{\frac{1}{2}}$
$\small L^*=(\frac{\displaystyle r}{\displaystyle w})^{\frac{1}{2}}Q$

同様に、

$\small K^*=(\frac{\displaystyle w}{\displaystyle r})^{\frac{1}{2}}Q$

となる。

以上より、企業の要素需要関数($\small L^*,\,K^*$)が導出された。

ボックス内に2つの解き方が載っていますので、解いたら確認してみてください

費用最小化の数式の読み方が分からない!って方は、「等量曲線と等費用曲線」の記事で解説しております。ぜひ参考にしてください。

生産要素価格の変化(労働と資本)

ここでは、生産要素価格が変化したとき、生産要素(労働と資本)の組み合わせがどのように変化するか確認します。

次図は、賃金率が上昇した場合と資本レンタル率が上昇した場合の変化を示しています。

生産量は一定なので、等量曲線上のある点で費用最小化する労働と資本が決定される

当初、最適消費点は点$\small E_1$($\small L_1$,$\small K_1$)で費用最小化が達成されている。

賃金率($\small r$)が上昇した場合、人件費は資本コストよりも相対的に高くなるため、労働投入量($\small L$)を減らし、資本($\small K$)で代替しようとする($\small E_1$→$\small E_2$)。

一方、資本レンタル率が上昇した場合、資本コストは人件費よりも相対的に高くなるため、資本投入量($\small K$)を減らし、労働($\small L$)で代替しようとする($\small E_1$→$\small E_2$)。

このように、生産量が一定のため、ある生産要素価格が上昇したら、他方の要素需要価格は相対的に低下するため需要量は増加します。

おわりに:要素需要関数と生産要素価格の変化を正しく理解する

ポイントは、「等量曲線」と「費用最小化」を理解することです。

私も最初は消費者理論とごっちゃになり、全然理解できてませんでした。以下、簡単なまとめ。

消費者理論:効用最大化問題で、効用関数を動かす

生産者理論:効用関数に当たる等量曲線は一定で、等費用曲線を動かす

その他、「要素」という言葉も間違いやすく、労働や資本の代わりに生産要素($w_1,w_2$)と置き換えることもあります(最悪の場合、$x$を使うこともある)

「企業」「要素」ときたら、生産要素になるので、費用最小化問題と理解しましょう!

以上、要素需要関数と生産要素価格でした。

【参考文献】
尾山・安田(2013)『経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』日本評論社.
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

編入希望の方はこちら 【編入】独学で経済学部の編入試験に合格する方法【ロードマップ】
編入希望の方はこちら 【大学編入】独学で攻略!「ミクロ経済学」の出題範囲と対策

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