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【ミクロ経済学】クールノー均衡・シュタッケルベルク均衡【複占理論】

ミクロ経済学
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こんにちは、とし(@tyobory)です。

ミクロ経済学第20回テーマ「クールノー均衡とシュタッケルベルグ均衡」です。

目次:「クールノー均衡とシュタッケルベルグ均衡」

1.クールノー均衡
2.シュタッケルベルグ均衡

第19回では「独占理論」をテーマとして取り上げました。

今度は、市場に二つの企業がいる寡占状態、いわゆる「複占」について考えます。
複占では、相手企業の生産量を予測して自社の生産量を決定します。

本記事では、複占の「クールノー均衡」と「シュタッケルベルグ均衡」について掘り下げていきます。

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【複占理論①】クールノー均衡【数量競争】

最適反応戦略

クールノー均衡(数量競争)を数式で解説

クールノー均衡は、相手企業の生産量を予測し、自社の利潤が最大化されるように生産量を決定します。

このとき、市場全体の需要曲線を$\small P=1-Q$、各企業の生産量を($\small q_1, q_2$)とすると、$\small Q=q_1+q_2$と置くことができる。

$\small P=1-(q_1+q_2)$

市場全体の需要関数は二つの企業の生産量で示され、この式から各企業の最適反応関数を導出します。

―最適反応関数―
相手企業の生産量($\small q_2$)に対応して、自社の最適な生産量($\small q_1$)を示した反応関数

ここで、市場では二つの企業とも同一で、一定の総費用 $\small cq_i$(限界費用が$\small c$を持つこと)を考えよう。

このとき、相手企業の生産量を所与として、自社の利潤を最大化させる戦略をとります。

以下、企業1の利潤式は次のように示されます。

$\small \pi_1=Pq_1-TC_1$
$\small \pi_1=(1-q_1-q_2)q_1-cq_1$

企業の利潤最大化条件より、$\small \pi_1$を$\small q_1$で微分すると、

$\small \displaystyle \frac{\partial \pi_1}{\partial q_1}=1-2q_1-q_2-c=0$$\\$$\small ⇔ q_1= \displaystyle \frac{1-q_2-c}{2}=R_1(q_2)$

この$\small R_1(q_2)$が、企業1の最適な反応関数となります。

企業2も同様に、

$\small q_2= \displaystyle \frac{1-q_1-c}{2}=R_2(q_1)$

となります。

対称的な費用関数より、対称的な解$\small q^*_1=q^*_2=q^*$を解くと

$\small q^*_1=q^*_2= \displaystyle \frac{1-c}{3}$

が導出されます。これがクールノー均衡の解です。

同時に、この解はナッシュ均衡でもあり、クールノー・ナッシュ均衡と呼ばれます。

クールノー均衡(数量競争)をグラフで確認する

上記、数式で確認しましたが、今度はグラフで確認していきます。

まず、市場の需要曲線から各企業の需要曲線、そして反応曲線を確認しましょう(下図)。

左図より、企業1は企業2の生産量($\small q_2$)を予測し、残った需要量が企業1の需要曲線(赤線)となります。

次に右図より、企業1は独占と同様に利潤最大化行動をとるため、利潤最大化条件は$\small MR=MC$となります。

ただし、独占と異なり、利潤最大化条件に相手企業の生産量($\small q_2$)が組み込まれます。

$\small q_1= \displaystyle \frac{1-q_2-c}{2}=R_1(q_2)$:企業1の反応関数
$\small q_2= \displaystyle \frac{1-q_1-c}{2}=R_2(q_1)$:企業2の反応関数

左図は、相手がナッシュ均衡の生産量($\small q^*_2$)をとっているときの、企業1の利潤($\small \pi_1$)を描いたものである。

このグラフの頂点(利益最大点)は、相手の生産量$\small q^*_2$に対する最適反応$\small q^*_1$である。

最適の1階条件で、お互いが最適反応し合っている状態

以上から、企業1と企業2は反応曲線に従って最適な生産量を決定し、クールノー・ナッシュ均衡($\small E^*$)が導出されます。

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【複占理論②】シュタッケルベルク均衡【リーダーとフォロワー】

シュタッケルベルグ均衡はリーダーとフォロワーの競争

シュタッケルベルグ均衡を数式で解説【リーダーとフォロワー】

クールノー均衡では、相手企業の戦略を予測して、お互いの最適反応により生産量が決定されました(同時に相手の生産量を予測:同時手番ゲーム)。

一方、シュタッケルベルグ均衡は、業界内の順位で先導者(リーダー)とそれを追う追随者(フォロワー)を仮定します(2段階ゲーム)。

―シュタッケルベルグ・モデル―
まず先導者(リーダー)が最適な生産量を決め、それを見て追随者(フォロワー)が生産量を決めるモデル

シュタッケルベルグ・モデルでは、リーダー企業が最初に最適生産量を決定しますが、相手企業の最適反応に基づくため、追随者(フォロワー)の反応関数を導出します。

⇒ $\small q_2= \displaystyle \frac{1-q_1-c}{2}=R_2(q_1)$:企業2の反応関数

企業2の反応関数を、企業1の利潤関数に代入して、利潤最大化を行います。

$\small \pi_1(q_1,R_2(q_1))$

こちらのモデル式を解いていきます。以下、クールノー均衡の例を援用します。

$\small \pi_1(q_1,q_2)=(1-q_1-q_2)q_1-cq_1$

ここで、企業2の反応関数を代入すると、

$\small \pi_1(q_1,R_2(q_1))=(1-q_1-\displaystyle \frac{1-q_1-c}{2})q_1-cq_1$$\\$ $\small \pi_1(q_1,R_2(q_1))=\displaystyle \frac{1}{2}(1-q_1-c)q_1$

となる。最適の1階条件($\small q_1$で微分する)より、

$\small \displaystyle \frac{\partial \pi_1}{\partial q_1}=\displaystyle \frac{1}{2}(1-2q_1-c)=0$$\\$$\small ⇔ q^*_1= \displaystyle \frac{1-c}{2}$

企業1の最適な生産量($\small q_1$)が決まり、企業2の反応曲線に代入すると、

$\small q^*_2= \displaystyle \frac{1-c}{4}$

となり、シュタッケルベルグ均衡は($\small q^*_1,q^*_2$)=($\small \frac{1-c}{2},\small \frac{1-c}{4}$)である。

このように、クールノー均衡と比較して、最適な生産量に変化がありました。次に、シュタッケルベルグ均衡のグラフを確認します。

シュタッケルベルグ均衡をグラフで確認する

シュタッケルベルグ均衡をグラフで確認するには、先導者(リーダー)企業の等利潤曲線を考える必要があります。

左図は、反応曲線と等利潤曲線の関係を見ると、リーダー企業の等利潤曲線は下方向にいくほど利益が上がり、生産量も増加します。

右図は、企業1と企業2の反応曲線に、企業1(リーダー)の等利潤曲線を組み合わせたものになります。

リーダー企業は、企業2の反応曲線の中で、自社の利潤を最大化させる生産量($\small q^S_1$)を設定します。

したがって、シュタッケルベルグ均衡は企業1の等利潤曲線と企業2の反応曲線が接する点で求まります($\small E^S$($\small q^s_1,q^s_2$))。

おわりに:クールノー均衡とシュタッケルベルグ均衡はゲーム理論

クールノー均衡とシュタッケルベルグ均衡はゲーム理論にあたります。

クールノー均衡:同時手番ゲーム
シュタッケルベルグ均衡:2段階ゲーム

クールノー均衡の場合、同時に相手企業の最適な生産量を予測して、反応関数を導出します。

一方、シュタッケルベルグ均衡は、相手企業の反応関数をモデルに組み込みます。

したがって、企業2の反応曲線(部分ゲーム完全均衡)を求めてから、企業1の最適な生産量を導出するため、2段階ゲームと呼ばれます。

以上が、クールノー均衡とシュタッケルベルグ均衡についてでした。

【参考文献】
尾山・安田(2013)『経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』日本評論社.
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

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