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【ミクロ経済学】所得の変化と最適消費【上級財・下級財・需要の所得弾力性】

こんにちは、とし(@tyobory)です。

ミクロ経済学第5回のテーマは「所得の変化と最適消費」です。

目次:「予算制約線と効用最大化(消費者行動)」

前回の記事(「予算制約線と最適消費計画」)で、「予算制約線」と「無差別曲線」を使って、最適消費についてまとめました。

まだ、ご覧になっていない方は、下記記事をご参照ください。

今回のテーマは「所得」が変化したとき、予算制約における最適消費計画がどのように変化するのか確認しましょう。

キーワードは、「上級財」「下級財」「需要の所得弾力性」です。それでは、Let’s go!

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【ミクロ経済学】所得の変化と最適消費【グラフと数式で理解】

所得が増えたらどうなる…?

所得の変化と予算制約線のシフト(グラフで確認)

まず、所得が変化したときの予算制約線のシフトを確認しましょう(下図)。

所得が増加したとき、予算制約線は傾きを変えず、外側(右)にシフトします。

所得が減少したとき、予算制約線は傾きを変えず、内側(左)にシフトします。

ポイントは、「予算制約線の傾きは変わらないでシフトする」ということです。

所得の変化と最適消費点の変化

次に、予算制約線がシフトしたときの最適消費点の移動です。

上図は、所得が増加したときの最適消費点の移動を表しており、点$\small E_1$から 点$\small E_2$への移動により確認することができます。

点$\small E_1$と点$\small E_2$を結んでいった曲線のことを「所得消費曲線」といいます。

この「所得消費曲線」は、点$\small E_1$を起点として、「右上がり」か「左上がり」かどうかで財の性質を判断することができます。

【上級財と下級財】所得消費曲線で「財の性質」を図解

財の性質には、上級財と下級財(超下級財)の2つに分けられます。

1.上級財:所得が増加(↔減少)すると、財の需要量が増加(↔減少)する財のこと
2.下級財:所得が増加(↔減少)すると、財の需要量が減少(↔増加)する財のこと

上級財の場合、所得が増加すると、均衡点は$\small E_1$から$\small E_2$に移動し、$x$財の需要量も$x_1$から$x_2$へ増加します。

下級財の場合、所得消費曲線は左上がりで、所得が増加すると、財の需要量は$x_1$から$x_2$へ減少します。

このように、所得の変化による需要量の変化をみることで、その財が上級財か下級財か判断することができます。

需要の所得弾力性を数式で理解

これまで、所得の増減による財の需要量の増減から上級財か下級財か確認しました。

ここで、「需要の所得弾力性」という概念を使うと、上級財か下級財か判断することができます。

$\\$需要の所得弾力性

所得が1%増加したとき、需要量が何%変化するか。$\\$

数式で表すと次のようになります。

$\small ε_I=\frac{\dfrac{dx}{x}}{\dfrac{dI}{I}}=\dfrac{dx}{dI}・\dfrac{I}{x}$
$ε_I$:需要の所得弾力性、$dI$:所得の変化量、$dx$:$x$ 財の変化量

分母は所得の変化率を、分子は財の需要量の変化率を表しています。

つまり、所得変化したとき、$ε_I$がプラスなら正常財もしくは上級財となります。

一方で、$ε_I$がマイナスなら下級財に該当します(以下判別表です)。

$\small ε_I$ < 0 0 < $\small ε_I$ < 1 1 ≦ $\small ε_I$
下級財 必需品
(上級財)
奢侈品
(上級財)

需要の所得弾力性がゼロの場合、財の需要量は変化しないのため、「中級財」に該当します。

さらに掘り下げると、$\frac{dx}{dI}$は $x$ 財の需要関数を導出し、所得($\small I$)で微分するというテクニックを使います。

需要関数については、別途記事をご用意いたしますので、少々お待ちください。

おわりに:グラフを書き、需要の所得弾力性の公式を覚える

所得変化について、グラフで理解すると分かりやすいです。

また、上級財・下級財について、「需要の所得弾力性」を使うと判別できます。

ですから、まずはグラフを書けるようになる、そして公式を覚えることを意識しましょう!

以上となります。参考になった方は応援もよろしくお願いします!

【参考文献】
尾山・安田(2013)『経済学で出る数学: 高校数学からきちんと攻める』日本評論社.
神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社.

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