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【日本ダービー】馬券は必要経費?【事業所得と確定申告】

日本ダービー

こんにちは、トシキです。

更新16日目の記事です。
今日、2019年5月26日(日)ですが、競馬で日本ダービーが開催されます。

ブログのサイト運営をしていて、ギャンブルやアダルト系のアクセスは改めて半端ないなと感じました。人の欲望はすごい!

本日、下記のツイートをしました。

当サイトは1日50PVくらい行けばよいほうなのに、360万PVとは驚きです。
それだけお金が絡んでくると何でも熱くなれるもんですね。

でも、これだけ多くの人が馬券購入すると勝つ人もいれば、負ける人もいます。でも、買った場合って税金を払う必要があるの?とか、負けた場合ってはずれ馬券は経費で落とせるの?、という疑問が出てくると思います。

そこで、本記事は、「外れ馬券から見る確定申告における雑所得と必要経費について」を深堀します。

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馬券は必要経費?雑所得と確定申告の話

日本ダービーの馬券を買う人は押さえておきたい知識

勝ち馬券など、ギャンブルの所得区分

みなさんはギャンブルをしたことはありますでしょうか。

私は大学生の頃、パチンコや競馬を遊びでやっておりましたが、大半の人が負けるような仕組みとなっております。でも中には、ギャンブルで勝ち続けている人はいます。

ギャンブルで勝った場合、そこから得られた収入はほぼ例外なく一時所得に該当します。なので、それで収入を得ている人は所得税を支払う義務が生じます。

ただ知っての通り、管理されているわけでもないので、申告して支払う人なんてほとんどいません。完全に抜け穴(ループホール)となっています。

それでも、最近は馬券購入とか機械管理されているため、ネットで購入されている人は、誰がどれだけ購入して、どれだけの収入を得ているか記録されています。

なので、最近は国税も目を光らせております。ここで、疑問が生じると思います。勝ち馬券は収入で課税されますが、はずれ馬券は経費として算入できるのかという問題です。

外れ馬券はほとんどのケースで必要経費にできない

何で?って思った人も多いかもしれません。理論的に言えば、収入ー必要経費=所得の考えに基づいたら、外れ馬券は必要経費として認められそうです。

ここで必要経費として重要な考え方があります。

収入に対する必要経費は継続的なものでなければならない

競馬というのはある種の娯楽であり、勝ち馬券による収入も、それに対する支出も本来継続的なものではないとされています。

そのため、競馬をはじめ、宝くじなどの公営ギャンブルによる収入は一時所得扱いで、原則必要経費として算入を認めておりません。

それでも特例中の例外があります。

外れ馬券が必要経費として認められたケース

事案の概要は以下です。

大阪の男性は、会社員のかたわら、2004年以降、市販の競馬予想ソフトに独自の改良を加え、100万円を元手にインターネット上でJRA全競馬場のほぼ全レースの馬券を無差別的かつ大量に購入し始めた。

・払戻金を反復継続的に次のレースの購入資金に充て、2005年からの5年間で総額約35億円の馬券を購入し、総額約36億6千万円の払戻金を得た結果、約1億5500万円の黒字となり、回収率も104.4%に上った。

・中央競馬の払戻率は約75%で、残り約10%が国、約15%がJRAの取り分であることからすると、この回収率は驚異的な数字だった。

・この男性は、全く確定申告をしておらず、大阪国税局の査察調査を受けて所得税法違反(単純無申告罪)で刑事告発され、所得税約5億7千万円を免れたとして起訴された。

大阪地裁、大阪高裁及び最高裁の判決内容は以下の通り。

大阪地裁

極めて多数で多額に上り、その態様も機械的、網羅的なものであれば、本来は娯楽である競馬が質的には先物取引などと同様の資産運用に変化し、払戻金も営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得となる。外れ馬券の購入費や予想ソフトなどの利用料金も全て必要経費と認められるから、脱税額は起訴された約5億7千万円ではなく、約5200万円にとどまる。

大阪高裁

投資活動まで至っているか否かは問題ではなく、取引規模や態様などに照らして客観的に一連の継続的な馬券購入と認められれば、営利を目的とした雑所得となり得る。

最高裁

営利を目的とする継続的行為から生じた雑所得に当たるか否かは、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間、その他の状況等を総合考慮して判断するのが相当である。一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するといえるなどの事実関係の下では、払戻金は雑所得に当たる。

雑所得の概念って皆さん勘違いされていると思うけど、雑所得では必要経費を差し引くことができるので、事業の継続性の観点から判決が出されているのが驚きですよね。

事案の結論:馬券は雑所得の必要経費となりうるが、あくまで超特例

この最高裁の判決の後、所得税の通達に次の条文が付け加えられました。

・競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)1.馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券購入が一体の経済活動の実態を有することが客観的に明らかである場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。

2.上記1以外の場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、一時所得に該当することに留意する。

太線のところですが、要は自ら予想しないで機械的な予想により、馬券を継続的に購入して収益を上げていた場合、これは雑所得に該当し、必要経費に算入できることになりました。

終わりに:事業をするには何でも継続性が大事

これは特例の判例となりますが、ある意味では機械的な取引をして事業収益を上げていたことにより、認められた判例でもあります。

私はこれは継続的な収益だから経費になると思って最高裁の判決を気にしていたため、未だによく覚えています。

税理士の先生方はギャンブル性のあるものはダメという人のほうが多かったです。

この判例はある意味、時代が変わったからこそ所得区分の概念が覆った判決であり、時代とともに税制も変化します。

私はそれに合わせて生きていく必要があると改めに痛感させられました。

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