こんにちは、とし(@tyobory)です。
最近、ブロガーさんのYoutube動画を見る機会が増えて、特にイケハヤさんやマナブさんの動画を漁ってみています。
イケハヤさんの動画で「年収が2400万円から360万円になる」という、ちょっと衝撃的なタイトルでした。
あのプロブロガーのイケハヤさんが?、と思いつつ、サムネで破産秒読みと書いていたので、ちょっと会計的に年収について考察しようと思った次第です。
本日、このようなツイートをしました。
私はイケハヤさん(@IHayato )のyoutube動画を最近好きで見てます🌱
YouTuberさんから、年収2400万円
から360万円⤵️をネタにされ、かつ
キャッチーなタイトルだけど、会計知ってたら、これでもまだ
年収1000万円以上あると思います💰青色申告の個人事業主で配偶者
の給与経費込で軽く1100万円😇— とし🌱ブログ×経済学 (@tyobory) June 19, 2019
決して、イケハヤさんを卑下するわけではありません。むしろ好きなくらいです。
個人事業する人に、正しい所得の知識を持っていただきたいと思い、記事にいたしました。
では、上記ツイートを深掘りしていきます。
イケハヤさんの年収が2400万円から360万円?【会計視点でみる年収の話】
本質を探る。
年収360万円の真実
まずは、イケハヤさんの動画「【破産秒読みか!?】イケハヤ、年収2,400万円から年収360万になる」を紹介いたします。
これを見たときは、プロブロガーのイケハヤさんがここまで年収が下がるのか、と最初は思いました。
イケハヤさんが言うことには、Googleのアルゴリズム・アップデートで、サイトが壊滅的になったそうです。
こういった声は、イケハヤさんに限らず、Googleのアップデートで泣かされた人は数多く知っています。イケハヤさんもその例外ではなかったそうで、今ではほとんど更新もしていないと言っています。
なので、年商は間違いなく下がっており、年収が2400万円から360万円に下げたのはウソではないと思います。
では、本当に年収360万円なのか?それは、日本の租税制度に隠されております。
年収360万円の価値【事業主の場合】
ここからは、少し会計的な話になります。
ここで、注目すべき点は年収360万円をどうやってもらっているかです。
普通の人の感覚なら、会社からお給料を頂くので、給与所得としての年収360万円が一般的だと思います。
ざっくり話すと、こういった給与を経費として使うことができます。
これは後に説明しますが、年収360万円でも会社員と経営者では、年収の価値が少し違うってことを分かってもらえればOKです。
年収360万円を解剖①【個人事業主で青色申告のケース】
大きく分けて、二つのパターンがあります
1.個人事業主で青色申告をしているケース
2.法人事業化して、経営しているケース
本当はもうちょい細かいのですが、青色申告と法人成りのケースに分けて、年収360万円について考察します。まず、青色申告のメリットです。
2.少額減価償却資産の特例
本記事ではこの2つを取り上げますが、詳しく知りたい方は下記記事をご参照ください。
1.青色事業専従者給与
まず、大原則として、青色申告している個人事業主の所得は、収入から経費を差し引いた金額が給料となります。
青色事業専従者給与:配偶者など生計を一にする親族に対して支払う給料のこと
つまり、夫婦で事業を営んでいて、配偶者に支払った給与も経費として落とすことができます。
また、事業所得を折半していたら、上記の例だと年収360万円×2=720万円となり、世帯収入は720万円ほどあります。
なので、イケハヤさんの場合と若干異なりますが、世帯収入は少なくとも倍あると考えて問題ないです。
2.少額減価償却資産の特例
簡単に説明すると、パソコンなどの償却資産(1つ当たり30万円以下)を年間300万円まで一括経費で落とせる制度です。
このように多額の費用を計上することにより、利益圧縮をかけているのは間違いないです。
以上から、年収が360万円に減少した!としても、その裏側は世帯収入1000万円くらいの価値は見積れます。
年収360万円を解剖②【法人成りのケース】
イケハヤさんの場合、こちらのケースに該当します。
つまり、個人事業主が法人成りしているケース。
法人化すると受けられる恩恵は主に2つです。
1.給与所得控除の恩恵
2.家族に役員報酬の恩恵
この点について、さらに掘り下げていきます。
1.給与所得控除の恩恵
青色申告との違いは、給与所得控除が使えることです。
つまり、法人化により個人事業主が経営者として役員報酬を受け取ることで、給与所得控除の恩恵が受けられるようになります
青色申告の場合、所得控除は一定の要件を満たすと最大65万円ですが、給与所得控除は以下の通りです。
出所:税理士法人チェスター
青色申告の65万円と比較して、給与所得控除の方がはるかに大きいですよね。
これが、法人成りするメリットです。
2.家族に役員報酬の恩恵
法人成りのもう一つのメリットとして、家族を役員にして役員報酬を支払うことができます。
つまり、経営者一人が全部の所得を受けとらならないで、家族を役員にして、所得を分散させることで、低い所得税率を適用できます。
例えば、1000万円の売上で、経費が400万円、所得が600万円の場合、青色申告と比較して約60万円節税できます。
これは、法人税において所得600万円が経費として引かれ、法人税は0円となります。
一方で、個人事業主は給与所得600万円を受けますが、上記の所得控除の恩恵を受けられるので、節税効果が生まれます。
また、家族を役員にした場合(夫:400万円、妻:200万円)、その節税額は約86万円に上ります。
以上、イケハヤさん年収360万円の真実の先です。
イケハヤさんは年収360万円でも、年収1000万円くらいの価値はある【破産はありえません】
本質にたどりつく。
表面上の数字に騙されない【事実の裏の奥底を知る】
年収が2400万円から360万円になった!と言ったら、エっと思います。
これで、視聴者が「イケハヤはタイトル詐欺してる。ペテン野郎」と言われるかもしれないし、そうでもないかもしれない。
私は、イケハヤさんは事実を述べてるだけで、間違ったことは言ってないと思っています。
大事なことは、このテーマをどのように考えるかです。
個人で稼ごうと思う人は、絶対身につけなければならない会計知識
これからますます個人で稼ぐ人が増えてきます。そして、年度末に絶対避けられないのは確定申告書・法人申告書の作成です。
会計知識がないと、ムダに税金を支払うだけになってしまい、経営状態を圧迫させることになります。
上のケースでも、法人成りするかしないかで、60万円ほどの節税効果があったと思います。
このような会計知識は「個人資本主義」を生きていく中で、絶対必要な素養なのです。
救いなのは、限界費用ゼロの資本主義社会
イケハヤさんも動画で仰っていましたが、ブログ・YouTube動画・noteなど、一度作ってしまえば一生コンテンツが資産として残ります。
なので、破産という概念はほぼ考えられないし、今の世の中は本当にすごいと思います。
土地、建物とか用意する必要もなく、ほぼ費用ゼロでビジネスができる社会です。
したがって、使えるものは何でも使って生きることが現代の生存戦略です。
終わりに:普遍的に必要な知識を身につける
これから個人で稼ぎ始めたいと思う人は、あわせて会計の知識を習得することをおススメします。
いろいろ劇的に変化する世の中ですが、国の制度的・手続き的な部分はもう大きく変わりません。
普遍的に必要な知識、つまりはこういった会計知識は今後とも必要となります。
このブログでも、ブログ収入と確定申告でよく記事を書いたりしているので、ぜひとも他の記事も読んでいただけたら幸いです。
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