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海外ノマドワークにも影響?デジタルサービス課税の脅威

こんにちは、とし(@tyobory)です。

ブログ更新は約60日目となります。

本日の記事は、「デジタルサービス課税」についてです。

昨日(2019年7月11日)に、フランス議会は主要経済国で初めて大手テクノロジー企業へ課税する法案を可決した。

同日、イギリス政府もまた、世界的なIT大手を対象とする新たな「デジタルサービス税」法案を発表した。


国境を超えたインターネット上のデジタル収益への課税…いよいよですね


最近、ノマドワーク的に海外で独立して稼いでいる人がいますが、デジタルサービスで上げた収益は今後課税される可能性があります。

以下、デジタルサービス課税について深掘りしていきます。

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海外ノマドワーカーにも影響?デジタルサービス課税の脅威

デジタル課税の到来。

デジタルサービス課税とは何か【GAFA税】

そもそもデジタルサービス課税とは何か。

これを紐解くカギは「GAFA」にあります。

GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonの各頭文字を取った総称で、今回のデジタルサービス課税の引き金の一端を握っています。

デジタルサービス課税とは、巨大IT企業が提供するデジタルサービスについて、インターネット上で国境を越えた企業収益に対して課税されること


従来の国際的な法人課税ルールでは、国内に支店や工場など恒久的施設(Permanent Establishment)を持たない企業には法人税を課税できないのが原則です。

つまり、このような課税原則から、現在EUを含め世界各地では、GAFAのような時価総額TOPの巨大IT産業に課税できずにおりました

今回の課税は「GAFA税」とも呼ばれ、全世界的な巨大IT産業に対する法人税改革と言えます。

デジタル課税としてフランス議会で法案可決


【7月12日 AFP通信】フランス議会は11日、主要経済国で初めて大手テクノロジー企業へ課税する法案を可決した。以下、その内容です。

大手テクノロジー企業の一部は、タックス・ヘイブンに法律上の本社を置くことにより、莫大な利益を上げている国々での納税額をごくわずかに抑えている。新法はこの課税の不均衡を解消することを目指したもので、大手テクノロジー企業がフランス国内の消費者に対するサービスから得た収益に対し3.0%を課税するという内容となっている。
出典:AFP通信


つまり、フランス国内に供給されたデジタルサービスについて、その収益の3%が課税されることになりました。

これを皮切りに、イギリスでもデジタル課税法案が発表されました。

デジタルサービス課税としてイギリス政府は法案を発表


イギリス政府は11日、世界的なIT大手を対象とする新たな「デジタルサービス税」法案を発表しました。以下、内容です。

 イギリス財務省によると、デジタルサービス税は「デジタル大手」を対象とし、「英国のユーザーから生じた価値」を反映したものになるという。法案は9月まで審議される予定で税率は2%になる見込み。また、新興企業を保護するため、小企業や英国で損失を出した企業には適用せず、来年4月の導入を目指す。
出典:AFP通信


ポイントは、「デジタル大手」と「ユーザーから生じた価値」です。

イギリス政府は、デジタルサービス税について、IT分野の税制を公正で競争力のあるものにすることを目的して、国際的な課税問題の解決を目指すと発表しています。

このように、デジタル課税時代が幕開けとなります。

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デジタルサービス課税が海外ノマドワーカーに与える影響

課税環境がフラット化する。

デジタルサービス課税が海外ノマドワーカーにも影響?


今回のデジタルサービス課税の世界的な潮流は、今後海外に住むノマドワーカーに影響を及ぼすのではないかと考えています。

理由は2つあります。

1.法人課税の原則が変わること
2.実は日本はデジタルサービス課税を既に行っている


法人税のあり方が変わっていきます。以下、さらに深掘りします。

その1:法人課税の原則が変わること


上でも書きましたが、法人税を課税するには恒久的施設(PE)があることが従来の国際課税のルールでした。

しかし、今後は「ある国内で売上があがった時点で課税をする」という「売上高課税方式」が主流になりそうです。

つまり、今回は大手IT企業が対象ですが、これを皮切りに法人課税のあり方が変わることが予測されます。

話を戻しますと、海外のノマドワーカーの場合、海外で作業をしていますが、デジタルサービスの提供先は日本となります

ということは、仮に税率の安い国でノマドワークしていたとしても、今後のデジタル課税の動向により、租税回避の恩恵が受けられなくなる可能性がありそうです。

その2:日本はデジタルサービス課税の先駆的な存在


ちなみに、日本では国際課税対策が進められています。

平成27年10月以降、多国籍企業が行うデジタルサービスついて、「サービスの提供を受ける者の所在地」として消費課税されています。

つまり、日本はデジタルサービス課税に関して先駆的な存在です。


今回のEUの動きは消費課税というより、法人そのものに課税していくというスタンスで、日本もその潮流に乗る可能性は十分考えられます。

以上から、世界中どこにいても、自国の税金からは逃れられない運命なのかもしれません。

終わりに:世界中のどこにいても課税環境はフラット化される


世界のどこでノマドワークしていても、課税環境が変わらない世界がリアルに近づいています。

少し前に、フリードマンの「フラット化する世界」がベストセラーになりましたが、グローバルな競争の行き着く先は「フラット化する課税」となりそうです。

今後の動向に注視が必要になりそうですね。

とし

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